冗長化機能に使用するOSコマンド
冗長化機能はサービスIPアドレスおよびデフォルトゲートウェイIPアドレスの設定のため、内部的にOSコマンドをコールしています。以下、そのOSコマンドの一覧です。
これらのOSコマンドを使用できることが必須となります。
SIP ServerはLinuxとWindows両方をサポートしているため、OSによってコール可能なデフォルトコマンドが異なります。
また、これらデフォルトで使用されるOSコマンドは[Configuration] > [Advanced] ページにおいてプロパティ変数を用いて変更可能です。
これらコマンドは %{変数名}の形で表される変数をコールします。詳細は下記の「コマンド変数リスト」を参照ください。
注意:
SIP Server プロセスはこれらコマンドの実行権限を持っている必要があります。
Linuxの場合、[SIP SERVER] > [Configuration] > [System] >[General]セクションの[Use sudo for commands]をONにすると、サービスIPアドレスの付加/削除の際に”sudo”コマンドを使用します。
※tomcatをrootユーザー以外で実行している場合、OSコマンドは”sudo”コマンドで実行する必要があります。また、tomcat実行ユーザーが”sudo”コマンドをパスワードなしで実行できる必要があります。
tomcat実行ユーザーがtomcatの場合で”sudo”コマンドをパスワードなしで実行する設定例:
rootユーザーで”visudo”コマンドを実行して以下を追加。
tomcat ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL
デフォルトコマンド – Linux
用途 | デフォルトコマンド | プロパティ変数 |
サービスIPアドレスの付加 *1 | /sbin/ip addr add %{ip}/%{prefix} dev %{if} | net.ifmanage.cmd.add |
サービスIPアドレスの削除 *1 | /sbin/ip addr del %{ip}/%{prefix} dev %{if} | net.ifmanage.cmd.del |
neighbours’ ARP キャッシュの更新*2 | /usr/sbin/arping -U -c 2 -I %{if} %{ip} | net.ifmanage.cmd.arp |
デフォルトゲートウェイIPアドレスの付加 *3 | /sbin/ip route add default via %{gw} | net.ifmanage.cmd.add.gateway |
*1. /sbin/ip コマンドが存在しなかった場合、代わりに /sbin/ifconfig コマンドを使用します。
*2. /usr/sbin/arping コマンドが存在しなかった場合、代わりに /usr/bin/arping コマンドを使用します。
OS が Debian (またはUbuntuなどの派生OS)の場合、arping コマンドを”apt-get install iputils-arping“などでインストールしてください。
なお、arping コマンドはGARP(Gratuitous ARP)に対応している必要がありますので、事前に上記の「neighbours’ ARP キャッシュの更新」のarping コマンドを実行して、実行結果を確認してください。arping コマンドの実行結果が失敗の場合、インストールされているarping を削除して、GARP対応のarping をインストールしてください。
*3. /sbin/ip コマンドが存在しなかった場合、 代わりにroute コマンドを使用します。
デフォルトコマンド – Windows
用途 | デフォルトコマンド | プロパティ変数 |
サービスIPアドレスの付加 | netsh interface ip add address “%{if}” %{ip} %{mask} | net.ifmanage.cmd.add |
サービスIPアドレスの削除 | netsh interface ip delete address “%{if}” %{ip} | net.ifmanage.cmd.del |
コマンド変数リスト
コマンド変数 | 意味 |
%{gw} | ゲートウェイIPアドレス |
%{if} | インターフェース名 |
%{ip} | サービスIPアドレス |
%{mac} | MAC アドレス |
%{mask} | サブネットマスク |
%{prefix} | プレフィックス・レングス |
デフォルトコマンドの変更方法
例:
事前に設定されたデフォルトゲートウェイアドレスを削除して新たにデフォルトゲートウェイアドレスを追加
[Configuration] >[Advanced]において、プロパティ変数を利用して新たに使用するコマンドを登録します。
net.ifmanage.cmd.add.gateway = /sbin/ip route del default && /sbin/ip route add default via %{gw}