ARSアウトバウンドルートのフェイルオーバー設定
ARSのアウトバウンドフェイルオーバー機能を使用すると、冗長性のあるテレコミュニケーションシステムを構築できます。あるアウトバウンドルートが利用できない場合、または、使用可能でない場合、Brekeke PBXはセッションを代替ルートに誘導します。
使用例
- Brekeke PBXは、特定のITSPサービスで障害が発生した場合に、代替ITSPサービスに自動でフェイルオーバーする機能を提供します。
- Brekeke PBXは、特定のITSPサービスで障害が発生した場合に、PSTNゲートウェイ経由でアナログ電話回線に自動でフェイルオーバーする機能を提供します。
- 複数のPSTNゲートウェイを使用して冗長性のあるアナログ電話回線への接続を実現します。
設定例
ここでは、ITSP回線が通常の発信セッション用に設定されていて、ITSP回線に障害が発生すると、発信セッションはPSTNゲートウェイを経由したルートにルーティングする例を説明します。
「ITSP_A」と「MyGateway」という2つのARSルートを作成します。優先順位が高いルート「ITSP_A」は、7~25桁のダイヤル番号が宛先となっている発信通話に使用されます。INVITEメッセージに対して、4秒以内に応答がない場合(レスポンスタイムアウト:4000ミリ秒)、または、「500 – 599」のエラーレスポンスを受信した場合、Brekeke PBXは発信セッション要求と一致する次のルートを検索を続けます。
この場合、セッションの代替ルートとして、次に高い優先度を持つルート「MyGateway」が選択されます。「ITSP_A」のルート内で[回復時間(ミリ秒)]が1時間(3600000ms)に設定されているため、「ITSP_A」に一致するセッションは、フェイルオーバー後1時間は代替ルート「MyGateway」を介してルーティングされます。
「ITSP_A」が1時間以内に回復した場合、または、フェイルオーバーから1時間経過後、セッションは再び最優先ルート「ITSP_A」を介してルーティングされます。
ルート名:ITSP_A
[パターン – OUT]
OUT – 1 | マッチングパターン | デプロイパターン | |||||||||||||||||||
優先度 | 1 | From | From | “xxx” <sip:xxx@itsp.com> | |||||||||||||||||
最大 セッション数 |
4 | To | sip:([0-9]{7,25})@ | To | sip:&t1@itsp.com | ||||||||||||||||
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- [レスポンスタイムアウト(ミリ秒)]は、使用環境に応じて調整する必要があります。ローカルネットワークに配置されたPSTNゲートウェイとSIPサーバー間では、一般的に長いレスポンスタイムアウト間隔は必要としません。インターネット経由での接続が必要なルート、または、他の遅延が予想される場合は、レスポンスタイムアウト間隔を長めに設定する必要があります。
- 「ITSP_A」ルートで[レジスタ失敗時は無効]を「はい」に設定します。レジスターが「ITSP_A」ルートで機能していない場合は、本ルートが無効になり、代わりに「MyGateway」ルートが使用されます。
- [失敗時の無効化]を「ルートを無効」に設定すると、ルート全体が無効となります。このルートに他のIN/OUTパターンが定義されている場合、フェイルオーバーが発生したときに使用できなくなります。[失敗時の無効化]が「パターンを無効」に設定されている場合、現在のパターンのみが無効となるため、このルートの他のパターンは引き続き使用できます。
ルート名:MyGateway
[パターン – OUT]
OUT – 1 | マッチングパターン | デプロイパターン | |||
優先度 | 100 | From | From | ||
最大 セッション数 |
4 | To | sip:([0-9]{7,25})@ | To | sip:&t1@[ゲートウェイIPアドレス] |